杉村農園のいちごは主にどこで売られている?
主には農協(JA山口県)さんを通じて山口県内の柳井市や岩国市、お隣の広島県広島市に運ばれています。皆さんの地元のスーパーで売られているいちごも比較的近い地域で栽培されたものではないでしょうか?トラックで長距離を運ぶと、それだけいちごが潰れるリスクも高くなりますからね。(トラックは乗用車の約3倍の振動がかかるそうです。)

個別注文のいちごが必ず甘いのはなぜ?
杉村さんのいちごは美味しいので全国の方が食べたいと思っているわけですよ。そこで杉村さんは個別注文にも対応して全国発送しています。その個別注文の商品には、なるべく大きい苺が詰められています。ちょっと不恰好なカタチのものもたくさんあります。それはなぜでしょうか?大きい苺のほうが甘くておいしいからです。

食べ比べてみるとわかります。小さい苺と大きい苺、どちらも完熟で摘み取ったとして、大きい苺のほうが甘みと旨みの成分がたっぷり入っているわけですから、口の中に一気に入ってきて、「おいしい!」と感じますよね。小さいものも甘いのですが、大きいものと比べてしまうとやはり物足りない感じがします。

お店でデコボコがなくシュッと綺麗な三角形をした苺ばかり目にしている私たちは、不恰好な特大いちごを食べた経験が少ないですよね。だから、普通のお客さんは形のいいものを好むそうですが、実はこういう大きくて完熟で収穫される苺が美味しいということを知っていると得をしますね。


個別注文の商品には、いちごの花を添えています。



大きい苺は最初から違う!
上の写真を見てください。特大サイズに生長する苺は、花がついた時から特別な存在です。軸の太さが違いますよね。形のいい三角形になる苺たちは、たくさん枝分かれをしていて、軸が細いのがわかります。つまり、三角形の苺のほうが個数は多く獲れます。不恰好な特大サイズは獲れる数も少なく、消費者にも形が好まれないということで店頭ではあまりお目にかかれないのかもしれませんね。

大きいから美味しいというだけではなく、杉村さんはしっかり熟してから収穫しているということも美味しい理由の一つにあります。糖が乗っているので、表面がツヤツヤしていますよ。更に糖が乗ると、苺を触った感じがベトベトするそうです。そこまで糖が乗ってから収穫すると、表面が柔らかくなって傷つきやすくなるので、輸送の問題が出てくるわけです。これが農家のジレンマですが、杉村さんは美味しさを優先されています。



土壌の豊かさが苺の味にも現れる
完熟で収穫すればすべて美味しいのか?というと、苺を育てる土壌の違いも出てきます。杉村さんは20年近く善玉菌EMで発酵させ続けてきた土壌で栽培しています。同業者のいちご農家さんも杉村さんの苺は味が違うとおっしゃているそうです。
杉村さんが新しく昨年秋に設置した高設ベンチ栽培の苺と、20年来の土耕栽培の苺とを私も食べ比べさせてもらいました。高設ベンチには、市販の土に善玉菌EMで発酵させたボカシ(有機肥料)を混ぜたそうです。素人の私の感想ですが、新設のベンチのほうは、最初に甘さを感じ、後味はみずみずしさでした。20年来の土耕のほうは、最初に甘さを感じ、そのあと色んな味がしました。うまく表現できなくて皆さんに全く伝わっていないと思いますが、単一的ではない色んな味がしました。こういうのを「深みがある」と言うんでしょうかね。


記事:植村


農園の紹介